ペインクリニック
当科の診療について
北海道大学病院のペインクリニックでは、急性疼痛から難治性慢性疼痛まで、幅広い痛みの診断と治療を行っています。
痛みの原因や病態を多角的に評価し、薬物療法や神経ブロック療法を中心に、患者さん一人ひとりに適した治療を提供しています。特に、一般的な治療では十分な改善が得られない難治性疼痛に対して、専門的な診断と治療を行うことを重視しています。
当科の診療の特徴
1. 痛みの評価と薬物療法
難治性疼痛では複数の疼痛機序が関与することがあります。当科では、問診や身体診察、画像所見に加え、各種評価尺度やPainVisionなどを活用し、痛みの病態や日常生活への影響を総合的に評価しています。薬物療法では、一般的な鎮痛薬や神経障害性疼痛治療薬に加え、漢方薬なども取り入れ、治療効果や副作用、併存疾患を考慮しながら薬剤の選択・調整を行っています。
2. 超音波・X線透視ガイド下神経ブロック
神経ブロック療法は、当科の疼痛診療における重要な治療手段の一つです。硬膜外ブロック、神経根ブロック、星状神経節ブロック、各種末梢神経ブロックなど、疼痛の部位や病態に応じて幅広い治療を行っています。超音波装置やX線透視装置を活用し、正確性と安全性に配慮した治療を実施しています。
また、神経ブロックは鎮痛を目的とするだけでなく、疼痛発生源の推定や治療方針の決定に役立つ診断的手段としても活用しています。
3. 高周波熱凝固法・パルス高周波法
通常の神経ブロックでは十分な鎮痛効果が得られない症例や、効果の持続が短い症例に対して、高周波を用いた治療を行っています。高周波熱凝固法(radiofrequency thermocoagulation)は、熱による神経組織への作用を利用した治療法です。一方、パルス高周波法(pulsed radiofrequency:PRF)は、組織の温度上昇を抑えながら高周波電場を作用させ、疼痛の軽減を図る治療法です。それぞれの特徴を踏まえ、疼痛の病態や標的神経、期待される効果と合併症のリスクを考慮して適応を判断しています。
4. 脊髄刺激療法(Spinal Cord Stimulation:SCS)
当科では、難治性慢性疼痛に対する治療選択肢として、脊髄刺激療法(SCS)を導入しています。
SCSは、硬膜外腔に留置した電極を介して脊髄に電気刺激を与え、痛みの軽減を図る神経調節療法です。脊椎手術後の遷延性疼痛や複合性局所疼痛症候群(CRPS)など、特定の難治性神経障害性疼痛に対して治療選択肢となります。薬物療法や神経ブロック療法などの治療経過を踏まえ、疼痛の病態や患者背景を総合的に評価したうえで、適応を慎重に検討しています。
5. 光線療法
当科では、低出力レーザーやキセノンライトなどを用いた光線療法も行っています。身体への負担が比較的少ない治療法であり、疼痛の種類や患者さんの状態に応じて、薬物療法や神経ブロック療法などと組み合わせて実施しています。
6. その他の専門的治療
上記のほか、病態や治療の適応に応じて、硬膜外洗浄や硬膜外自家血注入療法(epidural blood patch)などの専門的な治療も行っています。
患者さんのご紹介について
当科では、一般的な薬物療法で十分な改善が得られない症例や、神経ブロックなどの専門的な治療が必要と考えられる症例、疼痛の原因や病態の評価に難渋する症例などについて、地域の医療機関からのご紹介を受け付けています。
ご紹介の際には、これまでの診断・治療経過、使用薬剤、画像検査結果などの情報をご提供いただけますと幸いです。神経ブロックなどの侵襲的治療を検討するうえでは、抗血栓薬の使用状況も重要な情報となります。
外来診療日:月曜日・水曜日・金曜日(完全予約制)
※初診予約につきましては、北海道大学病院ホームページの「医療機関の方へ」をご参照ください。
大学病院として、臨床・教育・研究を通じた疼痛診療の質の向上に努めるとともに、地域の医療機関との連携を大切にしてまいります。
